交通事故を起こしたら相手に謝罪すべき?

普段から気をつけていても、ちょっとした気の緩みや不注意から起きてしまうのが交通事故です。もしも交通事故を起こしてしまったら、相手へ謝罪をすべきなのでしょうか。また、謝罪をするとしたら、どのようにしたらよいのでしょう。

あまり馴染みのないことだけに、わからないことだらけですよね。そこで、交通事故の謝罪についてわかりやすく解説します。

謝罪は強制ではない

「交通事故を起こした人は謝罪をしなければならない」このような法律は一切ありません。

したがって、謝罪はしてもしなくても、その人の気持ち次第ということになります。実際のところ、謝罪はすべきだと主張する人もいれば、不利になる可能性があるから謝罪はしないほうがよいという人もいて、賛否両論さまざまな意見が飛び交っています。

これは、過失割合が微妙なケースの交通事故で顕著であり、安易に謝ってしまうとその後の示談交渉に影響を与えかねないからです。相手は謝罪を受けたことで、「自分には非がないということだな」と誤解してしまうおそれがあり、このような事態を防ぐために謝罪しない論があるのでしょう。

交通事故の示談交渉は、基本的には自動車保険の担当者が代行してくれます。保険会社によっては、事故の当事者同士の接触を禁止しているところもあり、これは無用なトラブルを回避するのが目的です。軽い接触事故で被害がほとんどない場合、事故相手と話すことも顔を合わすことも一切なく、すべての手続きが完了することも少なくありません。

事故の程度がどうであれ、謝罪をする場合はまず保険会社に相談して了解を得てからにしましょう。

事前に電話をかける

謝罪をすると決まったら、とにかく早めの行動が肝心です。事故相手に電話をかけて、謝罪のために訪問したい旨を伝えます。まずは、今回の交通事故で迷惑をかけたことに対するお詫びの言葉をしっかりと述べ、ケガをしているのであれば体調についても尋ねましょう。

それから、本題である訪問の意思を伝え、相手方にとって都合のよい日時に約束をとりつけます。最後に、もう一度お詫びの言葉を述べてから電話を切りましょう。電話では顔が見えず、声だけでコミュニケーションを図ることになるため、ほんのわずかな言い間違いから大きな誤解を生むおそれもあります。

言葉選びにも細心の注意が求められ、事前に紙に書き出しておき、困ったときにはすぐに見られるようにしておくと安心です。電話をかけた際に、賠償に関して質問されることもよくある事例です。相手が一番気になっている事といえば、金銭の関わる賠償についてですよね。

しかしそこで、決して安易に受け答えしてはいけません。あなたの発言する内容によっては、今後の示談交渉がスムーズに進まなくなるおそれもあるのです。賠償は保険会社を通じて対応する旨をはっきりと伝え、自分からは何も約束したり言及したりしないように気をつけてください。

どのような交通事故でも、保険会社にすぐに電話することでスムーズに解決します

訪問時の注意点

謝罪訪問では、相手先の自宅か入院している病院を訪れることになりますが、当然ながら自家用車は使わないのが鉄則です。バスや電車などの公共交通機関を使うようにし、訪問時の服装にも気を配りましょう。一般的に黒やグレーの無地のスーツがふさわしいとされ、高価なアクセサリーや時計などの装飾品は避け、地味で目立たない装いを心がけましょう。

謝罪の言葉はもちろん大事ですが、見た目の印象もそれと同じくらい大切なポイントです。チャラチャラした服装で謝罪されたところで、言葉と見た目が一致していませんから、「この人は本当に謝る気持ちがあるのだろうか?」と不快に思われても仕方ありませんよね。

また、訪問時には菓子折りを渡すのが一般的です。お見舞い、深謝など、謝罪用に用意された「のし紙」もあるのですが、つけないほうが無難だといわれています。世の中にはいろいろな考え方を持った人がいますので、事故相手が「のし紙は慶事に使用するものだ」という考えの人であったとしたら、「のし紙」の有無だけで不愉快な思いをさせてしまうかもしれません。

つまらないことでトラブルを引き起こさないためにも、迷ったときはシンプルが一番です。そして菓子折りの金額は、高価すぎない5千円から1万円程度のものにし、相手にとって負担にならないものを選びましょう。

直接の謝罪が無理なら手紙で

謝罪を直接するのがベストなのですが、場合によっては難しいときもあります。

そんなときは手紙を書いて、いわゆる「謝罪文」を渡すのも誠意を伝えるための方法です。郵送でも構いませんが、保険会社の担当者や弁護士に頼んで相手先に渡してもらうとより安心ですよね。

謝罪文は、自分の言葉で心を込めて書きましょう。字が汚いからとパソコンを使うのは、あまりおすすめできません。字の上手下手にかかわらず、丁寧に書いたものは相手の心に伝わるものです。謝罪文に書く内容で注意すべき点は、言い訳をしないこと、賠償については言及しないことの2点です。

便箋は白無地のもの、封筒は白無地の二重の和封筒を使用し、誤字脱字にはくれぐれも注意しましょう。途中で間違えてしまった場合は修正液などを使ってごまかさずに、新しい便箋に書き直すほうがよいです。そして、封筒を外から見たときに、中身が謝罪文だとわからないように配慮することも大切です。

謝罪を拒否されたら

事故相手が激怒しており、謝罪の訪問を申し入れても拒否されるケースが少なくありません。このような場合には、謝罪をしないで済ます以外に方法はないのでしょうか。謝罪をしないで済むのならできればしたくないというのが本音かもしれませんが、謝罪をすることで示談交渉がスムーズに進んだり、人身事故の場合は刑事責任の軽減につながったりと、メリットがあることも事実です。

自分に間違いなく非があるのであれば、謝罪はなんとかしてでもすべきでしょう。交通事故の直後は特に、怒りの感情で支配されていることが多いようです。普段は温厚な方でも、予期せぬ事態に驚き、加えて自分に落ち度がないのであれば加害者に対して厳しい態度をとりがちです。

そのため、一度は謝罪を断られたとしても、少し期間を空けて再度連絡をとってみると、意外とすんなり応じてくれる場合もあります。謝罪を拒否されたからといって保険会社にすべて任せるのではなく、もう一度、二度とあきらめずに努力する姿勢も大切でしょう。

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